PR

マルバフジバカマ

植物の雑学

明治時代に日本に侵入して、おもに東日本で繁殖している、マルバフジバカマに関する雑学を、紹介します。

明治時代に日本に来た外来植物

マルバフジバカマは、1896年(明治29年)に、日本に持ち込まれたとされる外来植物です。

元々は、観賞用に持ち込まれたのですが、いつしか、漏れ出て、現在は北海道から近畿地方まで生息域を広げています。

最初は、神奈川県箱根町付近に持ち込んだらしいのですが、北への進出が早いのに、西への進出が遅いのは、暑さをやや苦手とするようです。

また、薄暗く湿った環境を好むようです。

花を咲かせる時期は10月で、白く小さな花を20ぐらい咲かせます。

もともと観賞用なので、きれいな花を咲かせます。

毒を持っているので、誤って摂取すると、最悪死亡します。

本当の脅威は

別に、毒を持っている植物は、普通にいるので、そのぐらいでは雑学と呼べるものではありません。

この植物の危険性は、直接摂取しなくても、中毒になることがあるというところです。

この植物は毒があるので、シカは食べません。

しかし、何故かウシは、食べます。

食べて中毒になると、多量のよだれ(もともとウシはよだれを垂らすが尋常でない量のよだれを垂らす)を垂らし、身体をだるそうにし、やがて呼吸困難になるようです。

その状態に気付かずに、ウシから搾乳したミルクを、人間が摂取すると、人間が中毒になってしまい死亡することがあります。

この中毒を、ミルク病と呼びます。

実際に19世紀の米国では、ミルク病によって、多数の死者がでました。

かの、リンカーン大統領の母も、このミルク病で死去した、という話があります。

同時の科学技術では、原因の究明までに、数十年要しました。

安心して牛乳を飲んでください

現在の日本では、徹底した品質の管理のもと、そのようなことが、起きることはありません。

市販の牛乳に、この植物の毒が混入する可能性は、ありません。

なので、安心して牛乳を飲むことができます。

安全な牛乳は、普段からの管理が重要であることは、言うまでもありません。

生息域を広げている

このマルバフジバカマをシカは、食べません。

シカは、うまい具合にこの植物を避けて食べます。

そして、マルバフジバカマだけが残ります。

このことが、生息域を広げる原因になっています。

実際に岩手県では、こうして生息域を広げた、マルバフジバカマが大繁殖しているようです。

もし気になるのなら

この植物の毒は、中程度の毒とされています。

毒の強さだけなら、トリカブトやドクゼリの方がよっぽど強いとされています。

ですが、摂取すれば、人間が死亡する毒です。

なので、無分別に植物を食べるのは、とても危険なことです。

しかし、子供は無意識に口にする癖が、あります。

だから、注意する必要があります。

広告です


一番の対処方法は、除草することです。
専門の業者に依頼するのが、最も適した方法です。
なぜなら、触れるだけで、かぶれてしまう草があるからです。
植物は、生き残るために、ありとあらゆる方法を身に付けました。
触ったらかぶれる、というのは、植物の世界では、生ぬるい方法です。
なので、危険な処理は、専門の業者に任せましょう。

雑学としてみるなら

植物の雑学は、もっとあります。

例えば、媚薬となった植物とか、ライオンを殺す草なども、雑学として面白いでしょう。

広告です

このような植物の雑学が、載っている書籍を紹介します。

面白くて眠れなくなる植物学 (PHP文庫) [ 稲垣 栄洋 ]

価格:814円
(2024/6/11 12:02時点)
感想(4件)

怖くて眠れなくなる植物学 (PHP文庫) [ 稲垣 栄洋 ]

価格:814円
(2024/6/11 12:04時点)
感想(0件)

まとめ

マルバフジバカマは、気を付けなければならない、植物と言えます。

ミルク病は、その最たる例です。

ですが、現代の日本では、気にする必要は、無いと言えます。

野良のウシ(?)のミルクを飲むときは、注意しましょう。

参考文献

国立環境研究所(2024年6月11日閲覧)https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/81020.html